TCH(Tooth Contact habit)

2023/02/24

TCH(Tooth Contact habit)は非機能時(安静時)に上顎、下顎の歯を接触させ続ける習癖と定義されています。
つまり、何もしていない時に上下の歯が弱く咬みしめて当たっている状態が数秒以上持続する状態です。安静にしている時、上下の歯と歯の間には、およそ1~2mm隙間があるのが自然で最も負担の少ない状態で、これを安静空隙と呼びます。
上下の歯は嚥下、咀嚼、発音などの機能時にわずかに、瞬間的に接触すると言われており、その接触時間を総合すると18分~20分ぐらいとされています。

普段、咀嚼している時の力は平均して3.2~5.0kgfで歯根膜(厚さ20マイクロメートル~50μm)によって力が緩衝吸収されており、瞬間的な力はさほど問題にはなりません。

顎口腔系には歯が作用点、閉口筋(咀嚼筋)が力点、顎関節部が支点となる場合と
歯を支点、咀嚼筋(masticatoriy muscle)が力点、temporomandibular jointが作用点となる場合の2種の第三種のてこの力があります。(ピンセットや栓抜きもてこの原理を応用した道具です)
このことで、TCHは歯牙だけでなく顎関節や咀嚼筋や歯周組織(歯根膜、歯槽骨、歯肉など)にもじわじわとダメージを与え続けます。
弱い力でも蓄積されれば、大きな被害をもたらします。よくない習慣がずっと続けば、積もり積もって悪い結果に繋がります。
当院では問診や閉眼判定法により、TCHがあるかどうかのスクリーニング検査をしております。
なかなか治らない歯の痛みや、夕方にかけて歯痛や疲労感が出てくる場合、もしかするとTCHが原因の可能性があります。

VDT (Visual Display Terminals)症候群などのように、何かの長時間の作業に付随して、TCHが引き起こされることもあります。


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